静岡県伊豆の左官の神様

カレンダーを見てみるといつの間にか12月になっていて驚きを隠せません。
もうこたつから出たくありません。モトダです。

今回のまち歩きは伊豆からです。
伊豆と行っても伊豆の踊り子関連にいかないのがモトダ流。
というわけで、訪れたのは伊豆半島の南部にある静岡県賀茂郡松崎町。
ここはなまこ壁で有名な町。

静岡県静岡県賀茂郡松崎町のなまこ壁

なまこ壁、皆さんどこかで見たことがあるのではないでしょうか。
なまこ壁は防火性、保温性、保湿性に優れていて、明治時代から昭和のはじめころまでは各地で見られていたものです。
静岡県静岡県賀茂郡松崎町のなまこ壁

なまこ壁、ドアップでみるとこんな感じです。
うん、なまこっぽいですね。

そんななまこ壁で有名な松崎町なのですが、ここでの有名人といえば左官職人の入江長八さんです。
この方は幕末に江戸で活躍された方で、左官の神様と言われるくらい漆喰コテの扱いが上手かったそうです。
漆喰と聞くと、イメージするのは塗り壁ですが、入江長八さんは漆喰で絵を描く左官職人さんだそうです。

まずはその長八さんが育ったというお寺の漆喰鏝絵(しっくいコテ絵)をご紹介。
お寺を再建した際に長八さんが壁面に書いたもので、今でも当時の漆喰鏝絵が色褪せることなく残っています。
静岡県伊豆半島にある賀茂郡松崎町の名工が仕上げた漆喰鏝絵

そして、次のお写真。
静岡県伊豆半島にある賀茂郡松崎町の名工が仕上げた漆喰鏝絵2

1枚目と2枚目、同じ場所から撮ったものなのですが白色の映え方が全然違って見ませんか?
2枚目のほうが立体的に見えると思うのですがどうでしょう。

1枚は現代の感覚で、照明を当てて見たもの。
2枚目は照明がない時代の「障子ごしに入る自然光」だけで見たもの。
2枚目の方は実物を見ると、ふわっと空間に浮かび上がって見えるんです。
たまらずほぉ…と感嘆の息を漏らしてしまいました。

そして天井には龍の天井画。
静岡県伊豆半島にある賀茂郡松崎町の名工が関わった天井絵

龍のウロコにはめずらしく漆喰が使われているそうです。
漆喰でこんなに立体的なものが生み出せるのか…とまじまじと見てしまいました。

そしてこちらがその作者である長八の作品を紹介する記念館。
静岡県伊豆半島にある賀茂郡松崎町の長八美術館

想像していた建物とちがう…!
なまこ壁の昔ながらの建物を想像していたので驚きました。
めちゃくちゃ近代建築!そして白い。眩しい。

ここでは漆喰鏝絵の手順や、作品が飾られています。
静岡県伊豆半島にある賀茂郡松崎町の名工が仕上げた漆喰鏝絵

これ、コテで何回も漆喰を塗り重ねて出来ているんですよ。
信じられます?

作品を近くで撮らせてもらえるものもあったのでドアップで。
静岡県伊豆半島にある賀茂郡松崎町の名工が仕上げた漆喰鏝絵

こんな感じで細かなところまで立体的に描かれています。
壁を塗るコテとは違い、細かいコテを駆使して描くそうです。
とにかく、すごく細部まで立体的に表現されているんですよ。すごい。
あまりにも繊細な作業なので見ているだけで肩が凝りそうに…。

そんなこんなで次回は子供が泣いちゃうB級スポットを紹介します。

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