日本と欧米のホームインスペクション (住宅診断)の違いとは?

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岐阜市鏡島より「暮らしを育む」をテーマに 地域の活性化に取り組む
住宅診断・リノベーション専門一級建築士事務所のマルホデザインです。

前回のコラムでは日本のホームインスペクション(住宅診断)の
歴史についてお話させていただきました。

>>日本のホームインスペクション(住宅診断)の歴史を知ろう!

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前回のコラムより、日本のホームインスペクションの取引全体に占める普及率はおよそ2割程度の状態で歴史も普及率も低いとされていることが分かりました。

そのような状況の中で、2018年に「仲介会社によるホームインスペクションの斡旋の義務」が定められ、今後日本でもホームインスペクションに対する注目度は上がり、普及していくと考えられます。

アメリカでは普及率が約8割とホームインスペクションが習慣化されています。そのため、日本はまだまだ諸外国の普及率にはかないません。

ホームインスペクションの意味合いは日本と欧米で変わりはないのですが、特徴には違いがあります。

それでは、日本と欧米でホームインスペクションの特徴にどのような違いがあるのでしょうか。今回はそのような疑問についてお答えします。

ホームインスペクションは欧米では常識?

先程も記載したように、欧米でのホームインスペクション普及率は約8割となっており、住宅取引の中でなくてはならない存在になっています。

欧米では約30年前に大量に新築住宅が作られた時代がありました。しかし、大量に作られたがゆえに欠陥住宅が続出しました。そのため、ホームインスペクションが広まっていったという背景があります。

この時、ホームインスペクションが自然に広まったものの、独自の基準で行われていたため、トラブルが多い状況にありました。

そのため、ホームインスペクションを専門に行うアメリカホームインスペクター協会ASHIが設立されました。

主に、ホームインスペクションへの教育プログラムを提供したり、倫理綱領を確立するなどの活動を行っており、ASHIによって業務がスタンダード化されていきました。

中古住宅の流通が多く、住宅の耐久年数が長い欧米ではこのような歴史を通じてホームインスペクションが浸透しています。

日本と欧米の特徴の違い

日本と欧米での特徴の違いは次のようになります。

・両手仲介の有無
・インスペクションの依頼者
・瑕疵担保責任
・倍主からの開示情報
・評価方法
・費用負担

中でも日本では売主または買主がホームインスペクションを依頼しますが、欧米では買主が依頼します。

アメリカのホームインスペクションの依頼者は買主がほとんどであり、費用は通常買主が負担する事になっています。

この要因は瑕疵担保責任の有無に関わっています。日本では瑕疵担保責任がありますが欧米では瑕疵担保責任がありません。

瑕疵とは、雨宿り被害やシロアリの被害など不具合の事を指します。瑕疵担保責任とは、瑕疵が見つかった時に売主が追わなけらばならない責任のことを言います。

瑕疵担保責任がない欧米では、買主がリスクを回避するため、ホームインスペクションの依頼を行うのです。

このように、ホームインスペクションの意味は同じでも、日本とアメリカで多くの特徴の違いがあることを理解しましょう。

マルホデザインでは、リノベーションやインスペクションに関するご相談などを
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