意外と知らない?海外のホームインスペクション(住宅診断)事情!

こんにちは。
岐阜市鏡島より「暮らしを育む」をテーマに 地域の活性化に取り組む
住宅診断・リノベーション専門一級建築士事務所のマルホデザインです。

前回のコラムではホームインスペクション(住宅診断)の当日の流れについてお話しさせていただきました。
>>ホームインスペクション(住宅診断)の当日の流れって…?

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さて、今回は海外のホームインスペクション事情についてお話したいと思います!
そもそもホームインスペクション(住宅診断)はまだまだ日本に浸透していないのが現状です。
そこで今回は日本以外の海外のホームインスペクション(住宅診断)事情について見てみましょう。

国土交通省の調査では、住宅供給量の中でも中古住宅の割合は日本は14.7%となっていますが
海外ではアメリカが83.1%、イギリスが87%、フランスが68.4%となっており
日本は圧倒的に中古住宅供給量が少ないのが分かります。

この背景には、中古住宅に関する適切な評価基準がないこと、
売主と買主で物件の品質に関する情報と知識の共有が難しいことが原因と言われ、
その不安心理から新築住宅へ向かう傾向があります。

アメリカのホームインスペクション(住宅診断)事情

アメリカでは30の州がホームインスペクション(住宅診断)に関する法を定めています。

そのため売買交渉の期間中、買主はその物件についてあらゆる調査を行う権利が与えられていて
その一環としてホームインスペクションは8割以上で実施されています。

調査の結果見つかった問題点は、買主が売主に対して修繕を要望したり
修繕費用の負担を要望したりすることができます。
そのため、費用は通常買主が負担します。

また、買主は購入の申し込み時に手付金を払いますが
取り決めた一定期間内は保管され、キャンセルになった場合には全額返金されます。

つまり、アメリカの不動産取引では全ての調査が終わるまで
買主は違約金など無くキャンセルする権利が守られています。

日本でホームインスペクション(住宅診断)が浸透していない理由

岐阜県鏡島城散策

上記で述べた通り、日本はそもそも中古住宅の流通が少ないため
ホームインスペクション(住宅診断)が浸透していないのが分かっていただけたかと思います。

更に、海外でホームインスペクション(住宅診断)が浸透している理由としては
中古住宅の流通の多さや住宅の耐久年数の長さなども関係しています。

日本では古い住宅は質が良くないイメージが強く、新築住宅が好まれるのに対して
イギリスのように築年数が古いほど価値が上がる国もあります。

日本は地震大国であることから、もともと建物に求める品質はかなり高いです。
そのため、海外に比べて構造に関することや細かな施工品質に関することまでしっかり診断しようとするため
必然的に費用が高くなってしまうという点もあります。

ですが、日本でも2018年に施行されたインスペクション(建物状況調査)の説明が
宅建事業者に義務付けられたりしていることから、
日本独自のホームインスペクション(住宅診断)制度が生まれることでしょう。

マルホデザインでは、中古住宅購入からインスペクションに関するご相談など
リノベーションだけにとどまらず幅広く承っております。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
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