ホームインスペクション(住宅診断)と 既存住宅瑕疵(かし)保険の違いって?

こんにちは。
岐阜市鏡島より「暮らしを育む」をテーマに 地域の活性化に取り組む
住宅診断・リノベーション専門一級建築士事務所のマルホデザインです。

前回のコラムでは海外のホームインスペクション(住宅診断)事情についてお話しさせていただきました。
>>>意外と知らない?海外のホームインスペクション(住宅診断)事情!

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日本では中古住宅の流通が少ない背景として、中古住宅に関する適切な評価基準がないこと
売主と買主で物件の品質に関する情報と知識の共有が難しいこを挙げさせていただきました。

今回は、少しでもホームインスペクションに関する知識を深めていただければと思い
保険に関してのご紹介をさせていただきます。

中古住宅には「既存住宅瑕疵(かし)保険」という保険があります。
これは、保険をかけている中古住宅を売買した後に、
保険の対象となる瑕疵が見つかった場合に修繕費用等の費用について保険金が出るというものです。
雨漏りや主要構造部の瑕疵などが保険対象とされています。

そのため、買主が修繕費用を負担しなくていいことから、買主にとってメリットがあります。

なぜ既存住宅瑕疵保険が必要なのか?

そもそも新築住宅の場合は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」略して「品確法」があります。
これは、住宅の品質を確保し住宅購入者が安心して住宅を購入できることを目的としています。
事業者が住宅を引き渡して10年間は、瑕疵があった場合、
補修や損害賠償をする義務、「瑕疵担保責任」を負っているのです。

一方、中古住宅の場合は品確法の対象になっていないため
「瑕疵担保責任」については売買時の契約内容によるものとされており、
中古住宅の売主の多くは住宅を所有するのは個人であることから、重い責任を負うことは難しいため
売買契約時に瑕疵担保責任を免除するか、数カ月程度の短期間に限定するのが傾向として多いです。

そこで政府は、購入前にホームインスペクション(住宅診断)を実施したり
瑕疵保険に加入したりして、安心して売買ができるような体制を整えようとしています。

ホームインスペクション(住宅診断)と既存住宅瑕疵保険は一緒ではない

既存住宅瑕疵保険に加入するには、その住宅を検査して合格しなければなりません。

保険に加入するための検査のことをホームインスペクション(住宅診断)と呼んでいるケースもありますが
全然違うものであることが多いことを理解しておきましょう。

ちなみに既存住宅瑕疵保険の検査では、保険の対象となる項目、
つまり雨漏りや主要構造部に関する項目だけが検査の対象となります。

一方で、ホームインスペクション(住宅診断)は保険加入を目的としているのではなく、
買主が購入した後に補修すべき点などないか、長持ちをさせるためにすべきことがないかを
アドバイスすることを目的としているため、保険対象以外の項目も細かく診断します。

マルホデザインでは、リノベーションやインスペクションに関するご相談などを承っております。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

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